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フライフィッシング用語辞典
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マムシ、正しくはニホンマムシAgkistrodon blomhoffii 、は沖縄を除く日本全国にいるが、九州、四国、中国地方で密度が高く、その地域でマムシに咬まれる(マムシ咬症)ことが多い。マムシは短くて太いヘビであり、頭部は三角形、尾部は急に細まっている。色は白と赤褐色〜黒褐色が混ざるが、銭形模様が特徴(カラーページ参照)。山地や平地に生息し、日中は涼しい草むらや石の間にいて、日が暮れると活動を開始する。時に集団で生息している。性格は一般に臆病だが、触られたり、不意の音に驚くとヒトを咬む。
マムシに咬まれると、直後あるいは数分して咬まれた部位が痛くなり、腫れ、皮膚は紫色に変わってくる。ほとんどの場合、手足の痛みと腫れですむので過度におそれることはないが、重症の場合は腎臓がおかされて死に至ることもある。死亡率は約0.01%。
マムシに咬まれたら、すぐにマムシから離れて2度目の攻撃をさけること。つぎに口で毒を吸い出す。強く1分間吸ってはき出し、これを5回繰り返すのがよい(スネーク・センターの沢井氏談)。誤って少量飲み込んでも問題ない。そして、咬まれた部位の心臓側を縛る。この時、脈が触れなくなるほど強く縛ってはいけない。そのあと、落ち着いて、咬んだヘビが銭形模様のあるマムシかどうか確かめること。できればヘビを殺して病院に持って行ったほうがいいが、無理をしないこと。捕まえようとして再び咬まれたヒトが少なくない!最後に、釣りをやめて病院にただちに行き、血清を打ってもらうかどうか決めてもらう。
予防だが、マムシ咬症の部位は手首から先と足首から先が全体の90パーセントを占める。足のほうはウェーダーを着ているので防護できているが、問題は手である。目の粗い軍手はほとんど防護にならない。"不注意に手を置かない"ようにするしかないだろう。マムシに咬まれた人の多くは、見えないところに手を入れたり、不注意に手を置いてたまたまそこに居たマムシに触って咬まれている。とぐろを巻いているマムシは攻撃態勢であり、要注意。また、マムシが多いかどうか、地元の情報も重要である。
なお、毒蛇咬症、血清についての問い合わせは、群馬県新田郡藪塚町にある日本蛇族学術研究所の「スネーク・センター」へ。電話:0277−78−5193
.e-mail: snake-c@sunfield.ne.jp http://www.sunfield.ne.jp/~snake-c/。
![]() (写真:日本蛇族学術研究所提供) 【資料】フライの雑誌 10: 1989。http://www.sunfield.ne.jp/~snake-c/
イギリスのスキューズG. E. M. Skuesが使った細長いスプーンで、鱒の胃の内
容物を調べるためのもの。"marrow"は骨髄。これは食器であり、骨髄をすくい出して食べるための細長いスプーン。
スキューズは鱒の胃内容物をしらべるために伝統的に行われてきたストマック・オートプシーの必要性を認識してはいたが、鱒の腹を割いて胃を取り出す作業が汚らしくてとても嫌だった。そこで最終的に腹を割かないでいいように長い柄のついた細いスプーンを鱒の口から差し込むことを思いついた。これは非常によい結果で、彼の書いた"Nymph Fishing for Chalk Stream Trout" (1939)には写真入りで紹介されている。
スプーンの巾は約1.5センチメートル、長さは約24センチメートル。スキューズは鱒が釣れたら、頭を一撃して、マロー・スクープを使えば鱒をまったく傷つけることがなく、1回で十分な量の胃内容を得ることができる。そして、内容物は小さな白い皿に水を張ったものに入れれば観察しやすい、と述べている。
同様の目的のために、近年では、ストマック・ポンプが一般的に使われている。マロー・スクープよりさらに鱒を傷つけないので、生きたまま検査を行い、リリースすれば元気に泳ぎ去る。
【資料】Nymph fishing for chalk stream trout, 1960 (1939).
→ストマック・オートプシー、ストマック・ポンプ
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