Ruddy
Ruddy Fly, Berners

フライフィッシング用語辞典

Fly Fishing Dictionary


Midge
Midge Flies
   
 
ブリッスル・リーチ  Bristle Leech:英語  《フライ》
 アメリカのフライ。和訳:棘(とげ)のヒル。1991年、ゲイリー・ラフォンテーンGary LaFontaine作のヒル(リーチ)のイミテーションだが、通常のリーチ・パターンとは発想がまったく違うので詳しく述べておく。
 ラフォンテーンはある時山上湖で釣りをしていたら、鱒が浅場で湖底の生き物を捕食しているのに遭遇した。見ていると、鱒がちかずくと湖底の砂がまいあがって、何かが鱒から逃げていて、鱒はそれを追いかけて捕食していた。調べてみると、それはヒルであることがわかった。そこで、ラフォンテーンはフックをアップサイドダウンにして、シャンクに硬いモノフィラメントを5〜6ミリメートルほど垂直に出っ張らせたトゲ(ブリッスル)のあるフライを作った。そのフライを投げて、水底に沈め、スッスッとリトリーブしたらモノフィラメントのトゲ(ブリッスル)が砂を引っ掻いて砂煙を立て、鱒は猛然と食いついたそうである。その後もこのフライは砂底になっている湖では成功率が高いという。フライフィッシャーマンにとって〈目からウロコが落ちる〉思いがする話ではなかろうか。ラフォンテーンの面躍如たるフライである。
【タイイング・マテリアル】
フック:キール・フック、4−8番
テイル:なし
ウェイト:レッドワイヤー
スパイン(棘):太く、短いモノフィラメント、2個
ボディ:グレー・ラビット・スキン
ウィング:グレー・マラブー・フェザーを2本
 
イラスト挿入
 
【資料】Trout flies: proven patterns, 1993.
→ヒル(水生動物)、ゲイリー・ラフォンテーン、アップサイドダウン・フライ
 
 
フリンフ Flymph:英語(造語) 《フライ》
 アメリカのウェットフライ。"フリンフ"は、ヴァーノン(通称ピート)・ハイディVernon(Pete) S. Hidyが1963年に使った表現で、fly + nymph=flymphという造語。ニンフとダンの中間の状態、飛ぶ(フライ)あるいは飛ぼうとしているニンフ、を意味しており、今で言うイマージャーをさすだろう。"The Art of Tying the Wet Fly and Fishing the Flymph、ウェットフライのタイイング技術とフリンフ・フィッシング"(1971)のパートIIの"The Art of Fishing the Flymph"に記載されている。ウィングのないウェットフライ・パターンで、柔らかく透明感のあるボディを持つソフトハックル・フライである。
 発表当時は注目を集めたが、後に発行されたスウィッシャー/リチャーズの"Selective Trout、セレクティブ・トラウト" (1971)および"Emergers、イマージャーズ"(1991)、カウチ/ナスターシの"Hatches、ハッチズ"(1975)などによってイマージャーの概念が確立されたので、フリンフということばは使われなくなった。しかし、イマージャーが釣りで重要であることを指摘したハイディが先駆者であることは間違いなく、その意味で「フリンフ」は歴史上のことばとして記憶にとどめるべきことばだろう。
【資料】The art of tying the wet fly & fishing the flymph, 1971. The fly fisher's illustrated dictionary, 2000. Selective trout, 1971. Hatches, 1975. Emergers, 1991.
→イマージャー、セレクティブ・トラウト
 
 
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美しいレインボウ・トラウト、日本のある湖にて
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