Two Feather CDC
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フライフィッシング用語辞典

Fly Fishing Dictionary


Midge
Midge Flies
   
おなみ(男波)・めなみ(女波)
 岐阜県、郡上八幡の職漁師が使うことば。個々の釣り師によってその意味するところがやや異なっているようだ。波は流れ、水流といった意味。
 菱田與一は渓流において水流が水底から水面に向かっている、つまり、上昇している水流を男波と呼び、逆に水面から水底に向かう水流を女波と呼んでいる。男波には魚はいず、女波に餌を流せばアマゴが釣れる。この女波はアマゴが食う流れなので、食い波である。
 恩田俊雄は流心の三角波が立っている早い流れを男波と呼び、男波の両脇のやや緩やかな流れを女波と呼んだ。多くの釣り人が女波を釣るので恩田は男波を好んで釣ったようだ。男波には大物がいるが流れが早いので深みに餌を流すのは難しく、サモト(落ち込みのソデ)の引きこみ波、すなわち食い波に餌を自然に乗せることが大事だと言っている。
 菱田は垂直方向の流れ、恩田は水平方向の流れに対して男波・女波という表現を使っているわけで、ことばの使い方は違うが、本質的な食い波について別のことを言っているわけではない。水中に引き込まれる流れに餌を自然に流すべきだ、という点に関してはまったく同じことを言っている。
【資料】郡上職漁師のアマゴ釣り, 1994 (1989). 釣聖恩田俊雄, 1995.
→くいなみ(食い波)、ひきこみなみ(引きこみ波)
 
 
カジュアル・ドレス Casual Dress:英語 《フライ》
 アメリカのニンフフライ。和訳:日頃着ている普段着。オレゴン州チロクィンに住んだポリー・ラズボローPolly Rosboroughが1960年に作ったもので、トラウト、バス、パンフィッシュ何でもよく釣れ、ことにパンフィッシュは面白いほど釣れるという。
 ラズボローはその著書"Tying and Fishing the Fuzzy Nymphs"(1965)の中で「food nymph、フード・ニンフ」と呼んだ一群のフライを記載し、それらは特定の昆虫や動物のイミテーションではないが、生き物の雰囲気を持っていてよく釣れるという。カジュアル・ドレスもフード・ニンフの一つである。このフライはマスクラット・ファーをふんだんに使ったボサボサのフライであり、冗談に作ったのかと思えるほどで、まさにラズボローのファジー・ニンフ理論を具体化したパターンと言っていいだろう。
 ヘレクソンHelleksonは師匠のラズボローにこのパターンを思いついたきっかけを聞いたことがあるそうだ。しかし、その返事はあまりにバカげていたので、ヘレクソンは信じることができなかったそうである。
【タイイング・マテリアル】
フック:AC80050BR、TMC # 200R、4−10番
スレッド:ブラック
テイル:マスクラットの背中から取ったガードヘア+アンダー・ファー、太く、短く
ボディ:マスクラットの背中から取ったガードヘア+アンダー・ファー、テイパーを強くつけ、十分にピックアウトしてボサボサにする
カラー:マスクラットの背中から取ったガードヘア+アンダー・ファーでカラーを作る。ボディの前3分の1を覆うように(ヘレクソンはベリー腹部・ファーを勧めている)
ヘッド:ブラック・オーストリッチ・ハール
【資料】Tying and fishing the fuzzy nymphs, 1988 (1965). Fish flies, 1995.
→ポリー・ラズボロー、ファジー
 
 
 
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熱帯の海でのボーンフィッシング、ベリーズにて
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